2018 HANABANASAI 花々祭
LIVING & ART

〈ヴィトラ〉が描く、
ホームオフィスとは?

花々祭期間の2月21日[水]から3月6日[火]まで、伊勢丹新宿店本館5階=リビングデコールにて、「ヴィトラ ホームオフィス ストーリー」を開催します。

働き方が多様化する現代、自宅でもモチベーションを保ちながらクリエイティブな働き方をするための環境や家具、インテリアとは何なのか。最先端の働き方を研究し、製品や環境のコンセプトとデザインに落とし込む挑戦を続けるスイスの家具メーカー〈ヴィトラ〉が、心地よくもクリエティビティを引き出すホームオフィスをご提案します。

会期中は、人気イラストレーターの長場雄氏のデスクを再現した展示も。デスクやホームオフィスのあり方に対して、新たな気づきやインスピレーションが得られるイベントです。

ヴィトラ〉パシフィック チェア 100,440円から(シート:ポリアミデ・ポリウレタンフォーム・ファブリックまたはレザー、アームレスト:ポリアミデ・ソフトポリウレタンまたはアルミニウム/幅54×奥行50~95×高さ90~133.5・座面高さ40~52cm)

エドワード・バーバー&ジェイ・オズガビーが初めてデザインしたオフィスチェア「パシフィック チェア」。「タスクチェアとしての完全な機能性」と「穏やかなデザイン」という2つのコンセプトの調和を目指して開発されました。機械的な構造が外見からはまったく見えない背もたれが、穏やかなデザインを象徴しています。

ヴィトラ〉オールスター 92,880円から(シート:ポリアミデ・ポリウレタンフォーム・ファブリックまたはレザー、アームレスト(フレーム):ポリアミデ、ベース:ポリアミデ/幅61×奥行49.5~74×高さ78.5~95.5・座面高さ42~53cm)

コンスタンチン・グルチッチがデザイン。カジュアルな見た目とは裏腹に、シンクロナイズドメカニズムが備わっており、シートの奥行や高さ、バックレストの高さも調節可能で、使う人の自由な動きをサポートします。ワークとライフ、スピード感のある現代にマッチしたタスクチェアです。

〈ヴィトラ〉
片居木亮氏インタビュー
「ホームオフィスの未来」

ファニチャーブランド〈ヴィトラ〉が考える、これからの働き方とは? イベントの企画を担当した伊勢丹新宿店のリビングバイヤー橋爪淑子が、ヴィトラ株式会社代表取締役の片居木亮氏にお聞きしました。

今日はよろしくお願いします。まずは〈ヴィトラ〉とオフィス家具の繋がりについてお聞かせください。

〈ヴィトラ〉は1950年に創業したスイスの会社です。家具メーカーとしては珍しいのですが、オフィス&ホームの家具に加え、店舗向け什器も手がけ、3つのカテゴリで展開しています。オフィス家具は1970年代から製作しており、最初に開発したオフィスチェアが「ヴィトラ マット」です。背もたれが傾く機能だけのチェアが主流の時代に、座る人の姿勢の変化に合わせて座面と背もたれが連動し、椅子全体が人の身体を支えるチェアを発表しました。

その後、時代に応じてオフィス家具への要求も変化しています。たとえばパソコン作業が主流になった1990年代以降のチェアは、ランバーサポート、つまりいかに腰部分を支えるかということが重視されていました。いまでもランバーサポートは重要ですが、デスクトップからノートパソコンへと移り変わったことで姿勢がより前屈みになりやすく、背もたれが使われないケースも多くなりました。そのため、腰のサポートだけではなく、正しい姿勢を促す機能だったり、身体を動かしてあげる機能だったりが求められるようになってきていますね。事実、身体を動かしながら座る方が、身体に負担が少ないということも分かってきています。

家具だけでなく、空間に対する考え方も変化しているのでしょうか?

そうですね。以前は個人作業ができるよう、効率的にデスクを並べたオフィスを作るという時代でした。いまは効率化だけを求めても、そこから何も生まれません。これまでただ作業をする場所だったオフィスが、だれかと会ったり、コラボレーションをしたり、コミュニケーションから新たなモノを生み出す場所へと変わってきています。現代はデジタルへのシフトが進む一方、実際に会ったり、体験したりというアナログな環境の大切さは変わらないと思うんです。

スイスとドイツの国境にあるヴィトラキャンパス内にあるヴィトラデザインミュージアムのオフィス

それを表現したイベントが2017年の「ジッケン オフィス」でしたね。

Yahoo! JAPANのオフィス内に設けられたオープンコラボレーションスペース「LODGE」にて、約1カ月半の期間限定で行いました。近年は社内外のコミュニケーションやコラボレーションがすごく重要視されており、コワーキングスペースがすごく増えている一方、スペースが変わっただけでコミュニケーションが生まれるのかという課題があって。どうやったら人が動くのかという問題に対して、運用や仕掛けも含めてコワーキングスペースのあり方を「LODGE」とともに考えました。

私たちは「ジッケン オフィス」で、こんなステキなスペースがあるんだと知りました。

「LODGE」はIT業界では知らない人はいないぐらい有名なんですが、業界を一歩出るとまだ認知が足りないと感じることがありました。できるだけ異業種の方を呼んで、何かコラボレーションが起きるようにと考えました。

同時に空間だけでなく、さまざまなイベントも仕掛けまして。たとえばお酒というのはコミュニケーションの手段になるんじゃないかなということで、冗談みたいですが「ジッケン スナック」と銘打ったイベントとか。「LODGE」にはコミュニケーターという人がいて、スナックのママに近い存在で人と人を繋いでくれるんですよ。ただ、隣に座るだけじゃなかなか話しかけたりはしないじゃないですか。著名なゲストを招いて、コミュニケーターの役割を担ってもらいました。

コミュニケーターっておもしろい試みですね。

そうですね。Yahoo! JAPANの社員の方が担当されています。

私が「ジッケン オフィス」に伺ったときは大きいスペースでセミナーをやっていました。その隣では自分の作業に熱中している人もいて、それぞれがいいバランスでひとつの空間が成り立っているなと。

イベントなど用途によって、自分たちの使いやすいように組みかえることができる家具も採用しています。

ただ机を並べただけのオフィス空間でなく、いまやる仕事に応じて最も生産性が高まる環境が選べることが理想的です。現代ではオフィスか、自宅か、カフェやコワーキングスペースのようなサードプレイスか、さまざまな選択肢があります。

2017年に期間限定でYahoo! JAPANの「LODGE」とヴィトラ共同主催によるイベント「ジッケン オフィス」 ※イベントは2017年11月で終了​ ©Nacasa & Partners

「ジッケン オフィス」に伺って、今回の伊勢丹でのイベントに対するビジョンが具体化していきました。

今回、伊勢丹ではホームオフィスをメインに展開する予定です。

現代的な働き方を象徴する「ワークライフミックス」という考え方があります。皆さんご存じのワークライフバランスは時間で区切る働き方、ワークライフミックスはプライベートと仕事が切れ目なく融合しているということ。もしかしたら生活に仕事が入り込むということは良くないことなのかもしれないですが、家でもメールチェックしたり、夜もだれかと会ったり、それも仕事の一部といえば一部なので。

現実に即していると。

そうですね。ワークライフミックスになるとホームオフィスの役割も変わってきて。たとえば集中して何かをするということ、考えること。会社で自分のデスクにいると人が来てしまうので、長時間考えることができません。ホームオフィスはクリエイティブなことを考える場になってくるのではないでしょうか。

理想的なホームオフィス作りってどこから手をつけるべきでしょう?

うーん、やはりまずはチェアでしょうか。

〈ヴィトラ〉で一通り座らせていただいたんですが、一番気に入ったのは「パシフィック チェア」。フォルムもすっきりして、他の家具にあわせてもマッチしそうです。

「パシフィック チェア」はすごくメカニカルで機能的なチェアなんですが、メカニカルな部分は外から見えないようにデザインされています。

ダイニングに置くなら、座り方によって前後に傾く「ティプトン」という椅子もおすすめです。姿勢をしっかりと固定するよりも、ある程度動かした方が良いという調査結果もあり、座面が前に傾斜することで背中をしっかりと立ててくれる効果もあります。

包み込まれるような座り心地のチェアもありますが、いざ仕事となると選ぶべきポイントも変わってくるんですね。仕事にも適したチェアをダイニングに取り入れることで、新しいライフスタイルが生まれそうです。

デスクトップからノート型のパソコンになったことで、家中どこでも働けますからね。いま、ニューヨークも香港も、都会の家は世界的に狭くなってきています。自分の書斎にデスクを置くというだけでなく、ソファやダイニングなど家の中に複数のワークポイントを用意するという考え方をすることでホームオフィスがもっと自由になるんです。

どこでもオフィスですね(笑)。異なる椅子を組み合わせることでインテリアのアクセントにもなりそうです。

〈ヴィトラ〉には「コラージュ」というキーワードがあります。暮らしをもっと楽しく彩りたいという考えから、さまざまなデザインのチェアを組み合わせることを推奨しているんです。〈ヴィトラ〉のイメージカタログのダイニングシーンでは、ほとんどがバラバラのチェアを採用していますよ。

ホームオフィスでは一般的なオフィスとは違い、自分が心地いいと感じるデザインやカラーのオフィスチェアを、ご自宅のインテリアに合わせて選んでいただきたいです。そのためにはご自身のワークスタイルや目的にあった機能も重要です。

今後のトレンドとしては、家で働く時間はどんどん長くなっていくと思います。かといって家に閉じこもっている仕事のスタイルではなく、ホームオフィスから外部や第三者とつながっていく、つながることができる環境が大切になるのではないでしょうか。

今回の伊勢丹のイベントでは、自宅のデスクに向かう時間が多いイラストレーターであり、あらゆる分野で時代を牽引するようなコラボレーションを実現している長場雄さんにご協力いただきました。長場さんのクリエイティブなインスピレーションや作品、他業界とのコラボレーションは、どのようなホームオフィスから生み出されるのか、私も楽しみです。ご覧になる皆さまも、ぜひ自分らしいホームオフィススタイルを発見して欲しいですね。

イラストレーター・長場雄

1976年東京生まれ。東京造形大学卒業。人物の特徴を捉えたシンプルな線画が持ち味で、アパレルブランドへのデザインワーク提供をはじめ、広告、書籍、パッケージデザインなど幅広く活動中。Instagram(@kaerusensei)に毎日1点作品をアップしている。主な仕事に雑誌『POPEYE』カバーイラスト、「東京メトロ」マナーポスターなど。

ヴィトラ ホームオフィス ストーリー

■2月21日[水]〜3月6日[火]
■伊勢丹新宿店本館5階=リビングデコール
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