おしえてエリーサベット
北欧に学ぶ、暮らしのデザイン

北欧インテリアのアイデアを詰め込んだ著書『ファインリトルデイ』が日本でも人気のスウェーデン人アーティスト、エリーサベット・デュンケルさん。〈ファインリトルデイ〉のデザイナーでもある彼女に、北欧の暮らしとデザインについてうかがいました。

“北欧ならでは”だと感じる家に対するこだわりはありますか?

北欧の国々は、一年の大部分を寒さがきびしく暗い冬が占めていて、夏はとても短いことで知られています。それはもちろん、私たちの暮らしにも影響を及ぼしています。北欧のデザインの持つ有機的な形やナチュラルな素材感はそこからの派生ではないでしょうか。北欧の人々は自然やアウトドアを愛しているので、たくさんの光を得るためにアパートや家に大きな窓があることを好んでいるように思います。

また、北欧の家には、白かグレーベースにライトウッドや色味を抑えたペールカラーを合わせた、機能的でミニマルなスタイルを好むタイプや、クラシックな〈マリメッコ〉のように、より大胆でカラフルなテキスタイルとパターンを好むタイプがあるように思います。

北欧インテリアと言えばテキスタイルをイメージしますが、
どのような選び方、使い方をしますか?

私にとってテキスタイルは、日々の生活、人生においてなくてはならない存在です。テキスタイルは、家を居心地よく、あたたかな空間にするのにとても役立ちます。そして、部屋の印象を決める重要なものだと思います。私はウールやリネンのような天然素材や、ナチュラルな作りのテキスタイルに心惹かれます。自然な色やおだやかな色が好き。ただ飾るためだけではなく、日々の生活の中に取り入れています。例えば、私はいつも〈ファインリトルデイ〉のモスリンブランケットを持ち歩いていて、スカーフやブランケットが必要な時に巻いたり、結んでバッグとして使ったりもします。キッチンクロスも、お皿を拭くためだけじゃなくて、パンを包んだりテーブルを飾ったりするのにも使います。

エリーサベットさんの家で、世代を超えて受け継がれているものはありますか?

あります。私の祖父母が使っていた白樺編みのバスケットたちです。スウェーデンの北部でずっと昔にクラウドベリーやブルーベリー、リンゴンベリーなどを摘むのに使われていたものです。バスケットは使い古されているけれど、まだ美しく十分に使えるものです。私と私の母は古いバスケットが大好き。完璧ではないけれど手作りで味わい深いものが大好きなのです。

〈ファインリトルデイ〉のアイテムをデザインするとき、
大切にしていることは何ですか?

「手」の存在が重要です。私たちが作りあげたものをコンピュータでデザインされたように感じてほしくないのです。私たちはデザインの背景に手仕事の存在を残したいと考えています。そして私たちが作り出したデザインが人々を結びつけ、日々の中で手仕事の美しさに気がつくきっかけになればいいなと思っています。

最後に、お部屋をすてきにコーディネートするコツがあれば教えてください。

コーディネートに正解も不正解もないと思います。自分を取り巻く環境と調和させながら、自分にとって心地よいバランスを作ることが大切。みなさんが持っているものを基本にして「飾りすぎないこと」。自分と自分の家と波長が合う、よいエネルギーを持ったものを選んで使うことがコツかな。

おまけ
エリーサベットさんのお気に入り

家でのお気に入りの場所は、家族が日々の食事を共にするキッチンです。朝はそれぞれ別々の時間に出かけるので、みんなが集まるのは午後か夕方の時間です。 私たちはヨーテボリという街の中心に住んでいて、キッチンからは街の家並みを眺められます。

コーヒーを楽しむのは夕食後がいい。私たちの飼い猫のSiriとRutみたいに、窓辺に座って街の家並みを眺めて楽しみます。 夫のDennisの作業スペースは彼のリラックススペースでもあります。

一日の終わりに、私たちは猫と一緒にリビングのソファで本を読んだり、テレビを見てくつろぎます。 外に出る元気が残っていれば、近くの緑豊かな公園「Slottsskogen(スロッツスコーゲン)」を散策することもあります。

仕事部屋は、私が多くの時間を過ごすもう一つの場所です。きれいに保ちたいけれど、遊び心が邪魔をしてなかなかきれいに保てないのです。 いろんなものをディスプレイすることが好き。それを見て楽しむことも好き――こんな感じにね。

EVENT
エリーサベット・デュンケル
トークショー

□11月22日[水]・23日[木・祝]各日午後2時~(約60分)
□新宿店本館7階=バンケットルーム
□参加費:無料
□定員:25名さま

『ファインリトルデイ』の著者であり、デザイナーでもあるエリーサベット・デュンケル氏が、北欧独自のインテリアスタイルの魅力、自身のデザインに対するこだわりなどをお話しします。

エリーサベット・デュンケル氏
アーティスト、ビジュアルコミュニケーター。2007年にブログ「Fine Little Day」を開設し、世界的に注目を浴びる。自身のブランド〈ファインリトルデイ〉のほか、〈House of Rym〉〈Urban Outfitters〉〈IKEA〉などのデザインも手がける。

通訳:佐藤園子氏
スウェーデン在住のテキスタイルジャーナリスト、翻訳家。心動かされるスウェーデンのデザイナーたちの暮らしにフォーカスして執筆活動をしている。