つくり手があつまる町

竹田の手しごと

約30名のクリエーターが日本各地から移住し、モノづくりの地として注目の大分県竹田市。九州の真ん中で、四方を山に囲まれたこの地で創造されたモノたちは、自然をそのまま切り取ったように、自由でパワフル。そんな魅力的なアイテムの数々をご紹介します。

左から:
NEW大分紺屋そめかひ
藍染トートバッグ 24,840円(33×45×11cm) 藍染 割烹着 1点限り 29,160円(綿100%)
NEW大分竹下洋子
ミニボレロ 1点限り 27,000円 ワンピース 1点限り 60,480円 Tシャツ 1点限り 16,200円

ニットデザイナー竹下洋子氏
インタビュー

ものづくりの移住先として、なぜ「竹田」を選んだのですか?

__海沿いの町で生まれ育った私は、幼い頃から絵本や写真などで見た、奥地の山や川や森にあこがれを抱き、人生の中でいつかは住んでみたいと思う場所でした。竹田は九州のおへそと言われるまさに九州の真ん中に位置します。太古の昔、阿蘇山噴火を恵にして、地形も独特で美しく、湧水群が走り、豊かな水が文化を生み出す町として作曲家、作詞家、南画家など歴史的にも芸術文化の著名人を輩出しています。彼らの生きた町には、時を経て今でもその息吹が引き継がれており、だからこそ、町そのものがクリエーティブな空気を内包しているように感じます。私が竹田を選んだのは、その空気を感じとって集まる人たちが出会い、刺激しあいながら、自然なカタチで気負いなく未来への創造都市を築いていくのではないかしら…という予感があったからです。

「竹田」に来る前と来た後では、モノづくりをするうえで心境の変化や作風の変化はありましたか。あるとしたら、それはどんなふうに?

__まずは生活の中にいつも、「水」の大きな存在があることです。川の流れの音、その模様、水の透明性、湿度と一年中渇かない苔の緑、人工音のない静かな夜と生命の鳴き声でめざめる朝。四季折々に道ばたに咲く草花たち。それらがつくりだす風景の中で生活していると、私のクリエーションのテーマは、おのずとその環境そのものの中から抽出したエッセンスをいかに編集するかということになります。糸を編む、絵を描くという手法で、この竹田の豊かな自然環境を基盤にした、大きなテーマができました。「Yoko Takeshita 里山クリエーション」という大きなテーマのもとに、さまざまな自然の在り方、事象などを個々に表現して行きたいと思っています。

「竹田」のどんなところが好きですか?

__海から遠いところです(笑)。それは、これまでの人生でいつも側に海があり、そのダイナミックな潮の満ち引きに恩恵を受けながらも、心身ともに強い影響を受けて来たことからしばらくは開放されたかったからです。川の流れは一方向なので今の私にはそれが合っているように思います。シンプルにひとつの方向に流れることです。

今後、「竹田」でどんなことをしたいですか?

__「里山クリエーション」とは、制作することだけでなく、生活と制作が一体となって表現されるということだと思います。私の住む地区は、限界集落といわれるくらい、過疎高齢化のモデルのような場所です。そこに住む特に高齢の方々の長い人生の中で、彼らがたまたまこの場所でクリエーションをするために移住した私の作品と出会い、彼らの感受性でどのように受け止めて関わってくれるかのその自然なありさまを、表現したい。たとえば、彼らが纏い、里山を歩き、茶の間でお茶を飲み、野良仕事をする。そんな彼らの日常の風景に私の作品をいきなり絡めながらも、ハプニングとして自然体となる瞬間を切り取ってみたい。彼らの人生の後半において、思いもかけなかった衣装を纏う自分の姿を彼らが見たときの、その顔の一瞬の表情のほころびを捉えさせていただけたら、作者として本望であると思います。